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北大経済学部大学院「経済思想史」2005.4-7.

橋本努担当(研究室:経済519、内線2777

 

 

 

1.授業の目的・内容・方法

 

 この講義では、グローバリズムの思想的諸問題について議論します。国際金融システムの規範理論、財の再配分をめぐる正義論、ビジネス・モデルとしての国家論、市場原理主義やネオリベラリズムをめぐる思想的問題、国際平等主義とグローバル民主主義の問題、などについて取り上げる予定です。

 講義方法は、主として英文論文を講読しますが、参加者による自由発表も行います。また留学生向けの講義を別に設け、こちらでは日本資本主義の発展史について取り上げます。

 

 

2.使用教材

 

 経済思想史に関するスタンダードな理解をまだ得ていない人は、太田一廣ほか編『経済思想史――社会認識の諸類型――』名古屋大学出版会,1995.を事前に読むことを薦めます。

グローバリズムに関する邦語の基礎文献として、スーザン・ジョージ著『グローバル市場経済生き残り戦略』朝日新聞社を薦めます。

その他、英文の著作および論文については、コピーを配布する予定です。以下のような著作を予定しています。
 Amartya Sen, Rationality and Freedom
 The 9/11 commission report
 その他、capability approach に関する欧文文献
 橋本寿朗編「20世紀資本主義I」東京大学出版会
 武田晴人「日本人の経済観念」岩波書店、など。

 

 

3.成績評価の方法

 

出席と発言の積極さを評価するほか、授業内容に基づくショート・エッセイ(2,000字程度)を六回提出し、それをまとめてファイナル・エッセイ(16,000字程度)を作成します。なおエッセイはすべてその都度、参加者の間でメーリングリストを用い、投稿・閲覧・検討・議論できるようにします。エッセイはいずれも、emailとプリントアウトしたものの両方で提出してください。

 評価は絶対評価です。また評価のポイントは、以下の点です。(1)授業に用いた文献資料を正確に読解できているか。(2)自ら問題意識を持って授業を消化したか。(3)自らの問題意識にしたがって文献資料を調べ、授業を超えた理解に到達しているか。

 

 

 

4.履修上の注意事項

 遅刻および欠席をされる場合は、必ず事前に橋本努研究室(内線2777)まで連絡下さい。

 なお、講義の時間帯を変更することがあります。